結核ってこんな病気

結核の正体

国民病

「結核の歴史は人類の歴史」といえるほど、紀元前から存在する結核は非常に古い病気です。結核が世界的に猛威をふるったのは、18世紀の産業革命のころです。欧米では産業の発達、都市化に伴い、大流行しました。しかしその実体をつかむことができたのは、19世紀の終わり頃です。

それまでは遺伝説や神経症説など、様々な憶測が飛び交っていましたが1882年、ロベルト・コッホによって結核菌が発見されました。日本では、明治時代から大正、昭和の中頃までつねに人々の間に蔓延していました。1950年までは日本人の死亡原因第一位の座を占めていたほどです。

日本国内の結核の死亡者数は、明治の終わり頃の1910年以降に急激に増加しました。1935年には死亡者原因第一位の病気となり、1940年には約15万人が亡くなっています。戦前・戦後には特に増加し、現在に至るまでに1000万人以上が、結核によって亡くなっています。

まさに結核は「国民病」だったのです。結核には特効薬がなく、それが死亡者を増加させた要因でした。1944年にアメリカでストレプトマイシンが使われるようになり、日本でも1947年に導入されました。これによって、死亡者が激減するようになりました。

さらに、1951年に新しい結核予防法が制定され、近代的な結核対策が開始されました。そのおかげでかなり結核を制圧することができました。しかし、完全に制圧できたわけでなく、その証拠に結核は「再興感染症」として、現在でも新たな脅威となっているのです。