結核ってこんな病気

結核の正体

結核菌

結核は、結核菌に感染することによって起こる病気です。結核という病気を正しく理解するには、まず原因となる結核菌について知っておくべきでしょう。性質、はびこる環境、弱点などがわかれば、予防対策や治療に役立つ知識となります。

結核の感染経路は飛沫感染、または空気感染です。空気中を漂う結核菌を吸い込み、体内に進入します。ただし、吸い込んだだけでは感染とはいいません。菌が体内の異物排除システムを抜け、肺の奥にある肺胞に到達し、増殖をはじめることで感染が成立するのです。

結核菌は、人の体に侵入して病気を起こす、ブドウ球菌や赤痢菌、コレラ菌などと同じ細菌の一種です。その性質から、抗酸菌というグループに分類されています。抗酸菌は非常に種類が多く、現在わかっているだけでも121種類あります。また、抗酸菌には、結核菌のように人の体に侵入し、病気を引き起こすものも、そうでないものもあります。

なお、結核菌にはウシ型、アフリカ型、ネズミ型などの種類がありますが、日本では人型の結核菌以外はまず見られません。結核菌は生命力が強く、しぶとい性質があります。表面はロウのような脂質の膜で覆われているのでこれが鎧の役割を果たすため、特に乾燥に強く、日光がさえぎられていれば2カ月間は乾燥した状態で生存可能です。

紫外線には弱く、2~7時間直射日光に当たると死滅します。また、結核菌も微生物と一緒でDNAをもち、その塩基配列の一部は各菌株に特有なので、個体の識別が容易です。このことから結核にかかった人の感染源を特定でき、この方法を結核菌DNA指紋法といいます。