結核ってこんな病気

感染から発病まで

同じ空間で

結核菌に感染しても、約70%の人は生涯発病することなくすごすことがわかっています。健康的にすごしている人なら免疫システムによって結核菌の増殖がおさえられ、発病しないですんでいるからです。

しかし、油断は禁物で発病していないのは結核菌が体内からいなくなったからではなく、免疫力が菌をおさえているだけなのです。免疫力が落ちると発病する危険があることを忘れてはいけません。ただし、この段階でほかの人に感染させることはありません。

結核に感染または、発病している人と同じ部屋にいると、感染はしますが将来、発病に至る人は30%です。結核菌に一度感染すると、体内からすべて排除することはできません。しかし、ほとんどの場合は、免疫力によって結核菌の増殖や活動をおさえこむことができます。また薬を飲んで菌を除去する「化学予防」という方法を用いて発病を防ぐこともできます。

このように結核は人が本来もっている免疫システムによって発病を抑えてきました。そしてより有効な抗結核薬などの薬の開発によって過去の病気とまでいわれるようになったのです。しかし現在でも問題がないわけではありません。その最大の要因はエイズをおこすHIVです。このウィルスの感染を受けると免疫力は次第に落ちていくのでそれまでおさえられていた結核菌が増殖を始めることになるのです。

エイズは1981年にアメリカで発見されましたが、アフリカをはじめ世界各地に広まり、世界の結核の蔓延状況に深刻な影響を与えています。HIV感染を受けると、結核菌に以前から感染していた人では結核菌が増殖をはじめて発病、結核に感染していなかった人は感染、発病がしやすくなるため、結核が急速に広がることになるのです。