結核ってこんな病気

日々の生活の中で

集団感染

そもそも結核が蔓延していた時代は多くの人が感染し、発病していたため、集団感染という言葉が使われることはありませんでした。集団感染が問題となり、注目されるのは現代社会ならではの問題点があるからなのです。

かつて結核による死亡者が最多だった1943年と比較すると、2008年の死亡者数は約77分の1に減少しました。ところが患者数が減ると新たに「集団感染」という問題が出てきたのです。

かつて集団感染は未感染者の多い小学校でよく見られました。しかし患者数が減少し、未感染者の年齢が上がるにつれて、学校だけでなく、会社や高齢者施設でも発生するようになったのです。集団感染とは、ひとつの感染源から2家族以上、20人以上に結核が感染した場合をいいます。毎年必ず20件以上の集団感染が起きていますがその要因として、排出していた菌の量と期間、以前に感染を受けていたか、発病リスク要因のある人がいたか、感染源となった人にどれくらい接触していたか等です。

近年は結核菌に未感染の人が多く、それが集団感染の原因になっています。人の集まるあらゆる場所が集団感染の場になる恐れがあるのです。 病院内では、診断の定まっていない結核患者と、免疫力が低下した人との組み合わせでおきやすいです。また、免疫のない若い世代の集まる学校も要注意といえるでしょう。特に集団の規模が大きいため感染が拡大しやすいのが特徴です。

会社や事業所などでは、感染に気づかず、発見が遅れやすい傾向にあります。発病者が感染した場合、事業所で働く全員が検査の必要があるにもかかわらず、徹底されずに感染が拡大することがあります。老人施設では過去に感染し、眠っていた結核菌が老化による免疫力の低下で発病するケースがよく見られました。 なお、医学の発達に伴い、近年結核菌のDNA指紋検査が行われるようになり、集団感染が起きた際、誰から誰に感染したかがわかるようになりました。