結核ってこんな病気

感染から発病まで

怖い病気である結核

たけしさんはストップ結核大使として、結核予防キャンペーンのCMに出ていました。このCMに対して「結核?結核ってまだあるの?」「4人に1人が感染?まわりに誰もいないけど」というのが大半の反応でした。かつて死亡原因の1位を占め、”亡国病”と呼ばれた結核も、患者数の激減によって、今では”過去の病気”、”よく知らない病気”と受け止められているようです。

日本の結核は2008年に新たに発病した患者2万4760人、治療中の患者6万2244人、亡くなった方は2216人です。過去と比較すれば、結核が蔓延し、死亡原因が1位だった時代の1950年は新規患者が59万人、亡くなった方は12万人でしたから、現在は20分の1まで減少しました。それでも、今なお毎年2万5000人も発病する”日本最大の感染症“です。

結核の場合感染と発病をしっかり区別する必要があります。感染は体内に結核菌を持っている状態、発病は体内で結核菌が増殖し、症状が出ている状態です。感染しても発病するのは10人に1人か2人で、菌を抱えたまま発病することなく一生を終える人の方がずっと多いのです。最初に述べた”4人に1人が感染”というのはCMを作った時点での感染者、つまり体内に結核菌を持っている人の割合です。

この割合も、結核が蔓延していた時代は”3人に2人”~”2人に1人”と、高かったのですが、患者の減少にともなって低下し、2010年は”5人に1人”まで下がっています。結核の罹患率は、その年に新たに結核を発病した割合で、人口10万人あたりの患者数で表します。

日本の場合、結核が蔓延していた時代は600を越えていましたが、2008年は19.4まで下がりました。しかしこの罹患率はロシアを除けば、先進国の中で最も高く、アメリカの4.5倍、カナダの4.1倍、スウェーデンの3.6倍です。日本は現在もWHO(国際保健機関)から”中程度の蔓延国”に指定されています。今の日本でも結核に感染し、発病する危険性は決して低くないということです。

日本がアメリカやカナダ並みの結核が”蔓延していない国”に達するには、このまま順調に減少してもまだ10年以上かかると考えられています。その一方で、結核が”高度に蔓延している国”があります。世界全体でみれば、結核は最大の感染症で感染している人は20億人、3人に1人と推計されています。全世界で毎年900万人も発病し、160万人も死亡しているのです。患者はアジアとアフリカに集中しています。とくに深刻なのはアジアで、発病者900万人のうち、400~500万人を占めます。日本にも結核が持ち込まれ、広がる危険性があるということです。